こんにちは、はんじゅくです!
今回の記事では、マーケティングやブランディングなどの幅広い分野で活躍されている長沢朋哉さんの書かれた【世界一やさしい「思考法」の本】をご紹介します。
突然ですが、考え事の最中にこんな状況になってしまったことはありませんか?
- 考えているうちに何について考えていたかを見失ってしまった。
- そもそも何から考えればいいかわからない。
仕事で企画を考えているときはよくそうなるよ・・・
それは考え方、つまり思考法が身についていないことが原因です。
皆さんの周りの「頭のいい人」や「仕事ができる人」は、意識的かそうでないにしても、この記事で紹介するような考え方を身につけているのかもしれません。
仕事に限らず、思考法を身につければ人生のいたるところでより良い選択ができるようになります。
この記事で紹介する下記の思考法を身につけて、よりよい人生に一歩近づきましょう。
- 批判的思考(クリティカルシンキング)
→目的をしっかり検証した上で、その目的のために決めるべきことを考えること
- 戦略思考(ストラテジックシンキング)
→<上位目的ー戦略目的ー具体的手段>の三層で物事を考えること
- 論理思考(ロジカルシンキング)
→<主張+根拠>で物事を考えること
- 分析思考(アナリティカルシンキング)
→分けて比べて、その結果から意味を見出して主張を作ること
- 直感思考
→日頃の知識や様々な経験の蓄積が生み出す直感的な発想と判断のこと
- 仮説思考
→業務のスピードアップのために、ざっくりとした分析でいったん仮の結論を出すこと
批判的思考(クリティカルシンキング)
1つ目の思考法は、批判的思考(クリティカルシンキング)です。
この思考法を一言で言うと、「目的をしっかり検証した上で、その目的のために決めるべきことを考えること」です。
まずは、目的の確認です。
その目的がより上位の目的に対して適切かどうか検討しましょう。
例えば、現在「新製品の売上を上げる」ことを目的にしている場合、より上位の目的である「会社の利益向上」という点から考えると「新製品を用いて会社のイメージアップを図る」という目的の方が適切な場合もあるかもしれないということです。
こうして検証された目的に対して、それを達成するためには何を決めなけらばならないかを次に考えます。
ここでのポイントは、「決めるべきこと」を疑問形にした上ででツリー図を作ることです。
こうすることで、頭の中の整理度合いが格段に上がります。
できれば「決めるべきこと」は漏れなくダブりなく上げることが望ましいですが、最初からそれを考えると煮詰まってしまうおそれがあるので、慣れるまではとりあえず並べてみることを意識しましょう。
ツリー図の例は下記のとおりです。

- 「その目的はより上位の目的から照らしてみて適切?」
- 「他にもっと適切な目的はない?」
- 「その目的を達成するために決めるべきことは何?」
このような自問自答をすることで、「何をどう考えたらいいかわからない」という状態を抜けられるようになるでしょう。
戦略思考(ストラテジックシンキング)
2つ目の思考法は、戦略思考(ストラテジックシンキング)です。
この思考法を一言で言うと、「<上位目的ー戦略目的ー具体的手段>の三層で物事を考えること」です。
この関係において戦略目的は、上位目的の手段であり具体的手段の目的になります。
そして「戦略目的」を決定することこそが、戦略作りにおける最重要事項です。
図にすると、下記のとおりです。

「思考が戦略的である」とは、戦略目的が上位目的に対して明確に選択されていて、すべての具体的手段が戦略目的に向かって集中していることです。
良く起きてしまう悪い例が、手段の絶対目的化です。
例えば、高校野球の上位目的は「教育の一環としての人間の育成」と日本学生野球憲章に定められています。
したがって「試合での勝利」は、手段のひとつに過ぎません。
しかし、しばしば現実ではその「試合での勝利」という手段が、絶対的な目的になってしまうことがあるのです。
- 「そもそも戦略目的は何?」
- 「そのための具体的手段は何?」
- 「手段がいつの間にか絶対的な目的になっていない?」
このような自問自答をすることで、より戦略的な思考に近づけるでしょう。
論理思考(ロジカルシンキング)

3つ目の思考法は、論理思考(ロジカルシンキング)です。
この思考法を一言で言うと、「<主張+根拠>で物事を考えること」です。
専門的に学ぼうとするとそれなりに難しい論理思考ですが、その中核はこのように非常にシンプルに表せます。
逆に論理的でないと思われてしまうのは、物事の整理に漏れやダブりがあったり、目的ー手段や原因ー結果の混同があるような場合です。
「色々話しているけど結論がわからない」
「結論はわかるけど、どうしてそうなるのかわからない」
論理思考が身についていないとこのような印象をもたれてしまい、主張の説得力もなくなってしまいます。
- 「要するに結論は何?」
- 「その理由は何?」
このような自問自答を習慣づけると、論理思考の力が大きく向上するでしょう。
分析思考(アナリティカルシンキング)
4つ目の思考法は、分析思考(アナリティカルシンキング)です。
この思考法を一言で言うと、「分けて比べて、その結果から意味を見出して主張を作ること」です。
「分ける」とは、一つの問題をいくつかの要素に切り分けて問題点を発見できるようにすることです。
例えば「売上」なら、「客単価×客数」や「販売店舗数×一店舗当たり売上額」などの色々な分け方ができます。
そして「分ける」の次は「比べる」です。
比べ方は主に、「過去と現在の変化」と「自分と他者の差異」という2つの方法があります。
「客単価の競合他社との比較」や「客数の前年同月比」がその例です。
最後に、比べた結果が意味していることを探ります。
ここで気を付けたいのは「比べた結果そのもの」では意味がないということです。
例えば、「客数が前年同月比で減っている」ということは「比べた結果そのもの」に過ぎず、分析とはいえません。
「客数が前年同月比で減っていますが、原因は○○○と思われます」というような、比べた結果のデータに基づく意見・主張を作ることが大切です。
- 変化・差異が起こった原因は何?
- 変化・差異が示す兆候は何?
このような自問自答が、分析思考のキモです。
直感思考

5つ目の思考法は、直感思考です。
この思考法を一言で言うと、「日頃の知識や様々な経験の蓄積が生み出す直感的な発想と判断のこと」です。
これまでの思考法のように考え方の枠組みがある、というわけではありません。
はいはい、要は「天性のセンス」ってことでしょ?
たしかに「直感型の人間」というと「勉強しなくても天性のセンスで乗り切ることのできる人」というイメージがあるかもしれません。
しかし直感的な発想や判断は、背景にある多くの知識や経験が頭の中で知らないうちに組み合わさったりして生じるものです。
例えば、将棋の棋士はこの直感思考に優れているといわれ、無数に近い選択肢から最善手を判断することができます。
もちろんそれは単なる当てずっぽうではなく、膨大な将棋の知識と経験がもたらす直感があるからこそなせる業なのです。
直感思考を高めるには、日ごろの経験や知識の幅と深さが何より重要になるでしょう。
仮説思考
6つ目の思考法は、仮説思考です。
この思考法を一言で言うと、「業務のスピードアップのために、ざっくりとした分析でいったん仮の結論を出すこと」です。
仮説思考は、思考法というより考え方の態度に近いといえます。
実務においては意識せずに仮説思考を行っているケースも多いですが、「仮説」ではなく単なる「思いつき」のレベルであることも少なくありません。
「仮説」と「思いつき」の明快な区分はありませんが、「良い仮説」の3つの条件は下記のとおりです。
- 仮説が「目的に対する手段」として説明できること。
- 仮説に「もっともらしい根拠」があること。
- 仮説が今後の調査などによって検証可能であること。
もちろん「良い仮説」の条件を満たしていても、あくまで仮説なのでその正しさは検証されるまではわかりません。
なお、良い仮説を立てるためには、これまでの知識や経験をもとに頭を使うことが重要です。
この点において、直感思考と仮説思考は似たところがあります。
「日ごろの経験や知識の幅と深さ」が、仮説思考においても役立つということです。
【世界一やさしい「思考法」の本】まとめ:日ごろから経験と知識を積み重ねて、様々な角度から自問自答を繰り返す
今回の記事では、マーケティングやブランディングなどの幅広い分野で活躍されている長沢朋哉さんの書かれた【世界一やさしい「思考法」の本】から、下記の6つの思考法を解説しました。
- 批判的思考(クリティカルシンキング)
→目的をしっかり検証した上で、その目的のために決めるべきことを考えること
- 戦略思考(ストラテジックシンキング)
→<上位目的ー戦略目的ー具体的手段>の三層で物事を考えること
- 論理思考(ロジカルシンキング)
→<主張+根拠>で物事を考えること
- 分析思考(アナリティカルシンキング)
→分けて比べて、その結果から意味を見出して主張を作ること
- 直感思考
→日頃の知識や様々な経験の蓄積が生み出す直感的な発想と判断のこと
- 仮説思考
→業務のスピードアップのために、ざっくりとした分析でいったん仮の結論を出すこと
「話しているうちに自分でも結論がわからなくなってしまう」
「手段をいつの間にか絶対的な目的にしてしまう」
まさに私がこれまで経験のあることばかりで、記事を作成しながら耳が痛かったです。
この本を読んで、それらの原因は自分に思考法が身についていなかったからだと気づかされました。
今後は各思考法の疑問文を自問自答しながら、直感思考を高めるための知識と経験を積み重ねて、「考えること」の質を高めていきたいと思います。
学んだあとは実践あるのみです!
どうしても抽象的な内容になってしまう「思考法」の基礎についての説明を、物語仕立てにすることで分かりやすく具体的に解説してくれています。
私のような「思考法」について学び始めたばかりの方に、とてもオススメできる本です。