「地方公務員はホワイトで安定」
――そんな噂を一度は耳にしたことがありませんか?
特に「市役所勤めなら毎日定時で帰れる」という印象を抱く人も多いでしょう。
かくいう私も新卒で地方公務員になった頃は、まさに「ホワイトな職場でのんびり働ける」という期待を抱いていました。
ですが実際に勤めてみると、思い描いていた理想と現実のギャップに驚かされることも少なくありませんでした。
地方公務員だからといって、必ずしも毎日定時で帰れるわけではありません。
忙しい部署では、時には過労死ラインに迫るような残業が発生することもありますし、何より「効率化が進まない」という独特の職場文化に戸惑うことも多々ありました。
それでも「公務員」という響きに安定を感じたり、同じ思いを抱いて転職や就職を考えている人もいるでしょう。
この記事では、そんな地方公務員のリアルな職場環境と実態を、私自身の体験談を交えながらお伝えします。
「地方公務員ってホワイトって聞いたけど実際はどうなの?」と気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください!
- ① 働き方の現実:定時で帰れるのは一部だけ?
- ② 公務員ならではの仕事の非効率さ
- ③ 給与・待遇は本当に良いのか?
- ④ 地方公務員の仕事は合う人と合わない人がいる
- まとめ:地方公務員への就職・転職前に知っておきたいポイント
① 働き方の現実:定時で帰れるのは一部だけ?
地方公務員というと、一般的に「安定していて、残業も少なく、ホワイトな働き方ができる」というイメージを抱かれがちです。
実際に、地方公務員の中には定時退社ができる部署もあります。
行政サービスとして提供する必要はあるけれど、それほどボリュームはない仕事をしている部署では定時で終われることが比較的多く、忙しさも穏やかな印象があります。
(自治体によりけりですが、環境系や小さい支所なんかがこのイメージ)
このような部署に配属されれば、地方公務員の「ホワイト」な一面を実感できるでしょう。
しかし私の経験では、特に企画系や事業推進を担当する部署だと、繁忙期には定時に帰るのはほぼ不可能でした。
年度末や予算審議が重なる時期になると、業務が雪だるま式に増え、気づけば夜遅くまで残業、ということが日常茶飯事。
私自身、忙しい時期には過労死ラインに迫るほどの残業を強いられることもあり、「これが公務員の安定した働き方なのか?」と疑問を感じる日も多かったです。
このように地方公務員といえども、配属先や時期によって働き方には大きな差があります。
すべての部署が「定時で帰れる楽な職場」というわけではなく、むしろ忙しい部署に配属されると、想像以上のハードな働き方を強いられることもあるのです。
ホワイトな環境を求めて地方公務員を目指す方も多いかもしれませんが、「自分がどの部署に配属されるか」で働き方の現実が大きく変わる、という点は理解しておくべきでしょう。
② 公務員ならではの仕事の非効率さ
地方公務員の職場では、仕事の効率化がなかなか進まない、というのも大きな特徴の一つです。
私の場合でも、毎日「本当にこれで効率よく業務を進められているのかな?」「これってやる意味あるのかな?」と疑問に思うことがたくさんありました。
例えばある書類一枚を回覧するだけでも、まずは印刷してバインダーに挟んで、複数の担当者に押印をもらいながら回していくという手順を踏みます。
また一つの書式を変更したいと思っても、決してすぐには進みません。
書式の自体が「規則」の中で定められていて、手続きを経て承認をもらうまでに時間がかかってしまうんです。
こうしたことの積み重ねで、業務効率化の大きな妨げになっていると思いました。
また「今までこうしてきたから」と言われることも多く、何か新しい方法を提案しても、なかなか受け入れてもらえないことも少なくありません。
例えば業務をデジタル化しようという話があがっても、「紙の方が安心」という理由で変わらないこともあり、時代の流れと職場の現実のギャップに悩む場面もありました。
もちろん、このような仕組みや手続きの多さが、地方公務員にとっての安定した働き方を支えている一面もあります。
しかし「効率よく働きたい」「無駄を省きたい」という方にとっては、このような業務の進め方にストレスを感じることもあるでしょう。
地方公務員を目指す方は、こうした職場特有の非効率さも事前に知っておくとよいかもしれません。
③ 給与・待遇は本当に良いのか?
「地方公務員は安定していて待遇が良い」というイメージを持つ人も多いですが(最近はなくなってきた気もします)、実際の給与面や待遇はどうでしょうか?
結論から言うと、地方公務員の給与は「中の中」から「中の上」くらいのレベルで、特に若手の頃はそれほど高くはありません。
実際、私が新卒で地方公務員になったとき、初任給の額は正直なところ期待していたよりも少なかったです。
もちろん、仕事を続けていくと徐々に昇給もありますし、年功序列で確実に給与が上がっていく安定感はあります。
ただ若い頃の給与水準は、民間の同世代の給与と比較すると低めに感じ、「安定はあるけど、収入が高いわけではないな」というのが率直な印象でした。
また福利厚生は多少充実していますが、こちらも「中の中」から「中の上」くらいのレベルかなと。
友人の話では、繁忙期に残業が増えても、すべての残業代がきちんと支払われずに一定時間分の「みなし残業」扱いになることもあり、思った以上に手元に残る金額が少ないケースもあるそうです。
ただ産育休については男性含めてちゃんと取る文化がありますので、その点は比較的良い方かなとも思います。
このように地方公務員の給与・待遇は安定感はありますが、高待遇とは言い切れない面もあります。
安定した職場を求める方には魅力的かもしれませんが、「高収入」を期待する方には物足りなさを感じるかもしれませんね。
④ 地方公務員の仕事は合う人と合わない人がいる
地方公務員の仕事は、実際に働いてみて「向き不向きがはっきり分かれる仕事だな」と感じました。
私は数年の経験を経て、「この仕事は自分には少し厳しいかもしれない」と思う場面が増えましたが、逆に「この仕事が合っている」と感じる人も確かにいます。
たとえば地方公務員の仕事では、ルーティン業務や規則に沿って物事を進める場面が多いため、「安定して同じことを続けるのが好きな人」や「じっくり着実に仕事を進めたい人」には向いていると思います。
そういう方にとっては、地方公務員の職場は安定感があり、働きやすい環境でしょう。
一方で「効率を重視したい」「どんどん変化がほしい」と感じるタイプにとっては、少し窮屈に感じることがあるかもしれません。
地方公務員の仕事には、ルールや手続きに従って慎重に進めることが求められるため、スピーディーな仕事や柔軟な働き方を望む方にはもどかしさがあるかと。
「公務員になれば安心」と考えている方には、ぜひ「自分にとって働きやすい職場環境かどうか?」という点もよく考えていただきたいです。
地方公務員の仕事には確かに安定した良さがある一方で、人によっては厳しく感じる場面もあるのです。
まとめ:地方公務員への就職・転職前に知っておきたいポイント
地方公務員は、安定した職場として「ホワイト」なイメージがあるかもしれません。
しかし、実際には部署や時期によって残業が増えることもありますし、業務の効率化が進まない独特の環境もあります。
さらに若いうちは給与が思ったほど高くないことや、手続きの多さなどから、向き不向きがはっきり分かれる職場でもあります。
就職や転職を考えている方には、ぜひ「自分に合う働き方なのか?」を慎重に見極めてほしいと思います。
地方公務員として安定を手に入れることはできますが、決して楽な職場環境ばかりではないため、こうした実態を知った上で選ぶことでミスマッチを避けられるんじゃないでしょうか。
今回お伝えしたのはあくまで私の経験談ですが、あなたにとっての一助になれば嬉しいです。